カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)

2016年7月20日更新

概要Q&A

カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)の検出について

この件につきまして、皆様にご心配をお掛けし申し訳ございません。
現在、感染症専門家の支援を得ながら最善の対策を進めております。
ご理解とご協力をお願い申し上げます。

平成28年7月19日
院長 酒井 和好

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【 概要 】

1.事実

 2015年10月13日から2016年6月29日までに1病棟で11名のカルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)の保菌が確定しており、院内環境に生息した微生物が伝播した可能性が高い。
 2016年7月19日現在でCRE保菌患者は5名が入院しており、その内の1名はCREによる感染症も疑い、7月2日より経験的治療を開始したが、その後の検査結果と経過から感染症ではないと判断し、7月19日に治療を終了している。


2.経緯

 2015年10月13日に1例目のCRE保菌者が判明。その時点で、愛知医科大学の感染症科の医師に相談し、当該病棟に対し個室管理と接触感染予防策の徹底を実施している。
 2016年2月10日に3例目が判明した時点でパルスフィールド検査を実施したが、3検体は異なるパターンであった。
 2016年3月13日に4例目の保菌者が確定し、遺伝子の解析を実施したところ、同一パターンであった。この時点で保菌患者から伝播する可能性の高い患者(おむつ交換・ストマ造設患者・女子トイレ使用患者)19名にスクリーニング検査を実施したが新たなCRE保菌者は確認されなかった。
 2016年5月13日に6例目のCRE保菌者が確定し、遺伝子検査を実施したところ、遺伝子パターンが他の5例と同一であることが判明し、院内環境に生息した微生物が伝播した可能性が高いという判断から、5月23日に当該病棟の全入院患者48名のスクリーニング検査及び環境培養を実施した。 この結果、CRE保菌者と環境培養からのCREの検出はなかった。
 2016年5月26日に第三者を交え対応を相談し、保健所への報告を行った。その後、5月27日~6月24日までの間に当該病棟の排水口など228カ所の環境培養を実施したが、CREは検出されず、再度2016年6月30日に排水口の環境培養40カ所実施したところ2カ所からCREが検出された。その後、7月13日から7月15日にかけ64カ所の環境培養を行った結果、11カ所からCREの検出が7月16日に判明し、今後さらなる対策を講じる中で、この経過を入院患者さんや病院を利用される地域の方々に報告する必要性があると考え今回の報告に至った。


3.危険性

 CREを保菌していることでの危険性は低いが、CREを起因菌として感染症を発症した場合、有効な抗菌薬が限られることが問題として考えられる。


4.原因

 詳細な感染経路に関しては現在検索中。現在排水口からCREが検出されていることから、排水口を介して伝播した可能性が高いと考えている。


5.対策
(1)
保菌者判明時の病棟の状況確認と改善策の検討と実施環境培養調査(7月15日時点で、のべ484カ所実施)
(2)
関連部署での職員へ勉強会を開催し、標準予防策と接触感染予防策の徹底
(3)
保菌患者検出時の個室管理  当該病棟への入院制限  病棟内でのゾーニング
(4)
職員の専任化 (陽性患者担当のチームを作り、スタッフステーション・休憩室を別にした。医師・薬剤師も当番制に、その他コメディカルも保菌患者の対応の順番を考慮し、接触後はユニフォームを交換することを徹底している。)
(5)
保菌患者への感染対策の指導
(6)
職員への情報伝達
(7)
当該病棟の週1回の環境培養
(8)
当該病棟での週1回入院患者のスクリーニング実施による伝播拡大状況の確認
(9)
当該病棟の集中清掃の実施
(10)
環境清掃の強化(1日2回手順に沿って環境清掃を実施)
(11)
伝播リスクのある物品の使用禁止(清拭保温バック使用の廃止・処置ワゴン引き出し)の撤廃
(12)
シンクの管理方法の統一
(13)
CREが検出された排水口に対しては、使用禁止にし、毎日次亜塩素酸ナトリウムで洗浄・消毒を実施
(14)
CRE未検出のシンクに対しても1週間に1回洗浄・消毒を実施
(15)
内視鏡消毒方法の消毒方法の徹底(定期培養の確認)
(16)
当該病棟入院歴のある患者に対するスクリーニングの実施

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