腎臓内科では現在5名のスタッフで腎臓・膠原病・リウマチ疾患の診療にあたっております。患者さんのメリットを最優先することと、チーム医療を心がけて治療を行うよう心掛けています。

①慢性腎臓病(CKD)に対する総合的な取り組み

高齢化に伴いCKD患者さんも増えてきており、透析導入時の年齢も少しずつ高齢化してきております。一つには保存的治療で透析までの期間の延長できるようになったこと、もう一つには他の疾患での医療レベルがあがり、それまで透析するまでになくなるような方が増えてきていることによると考えられています。当科では平成14年4月から保存期(透析未施行)のCKD患者さんに対して、多職種による患者指導・情報提供(そらまめの会)を行っております。これまで延べ1200名以上の患者さんに参加していただいております。
 腎臓病の治療において適切な体液量管理と血圧管理をすることで、尿蛋白を減らし腎障害の進行を遅らせることも目標の一つになりますが、そのためには栄養指導は非常に大事であり、個別栄養指導にも力を入れています。

②末期腎不全治療

末期腎不全に対する腎代替療法には、腎移植、血液透析、腹膜透析があります。

【腎移植外来】
当院では2012年から月1回腎移植外来を行い、移植を少しでも考えている方に関して情報提供を行っております。

【血液透析】
血液透析導入は年間50-60人台行っておりますが、当院での特徴は導入年齢が全国平均よりも2~5歳程高いにも関わらず、カテーテルでの導入率が低く(全国およそ30%、当院11%)、導入入院期間も短いことから、比較的スムーズに移行出来ていることです。

【家庭血液透析】
家庭血液透析の導入指導も行っております。全国の公立病院の中で家庭透析の導入を行っている施設は非常にまれです。ご自身で回路の準備、穿刺を行うなど、一定の練習が必要になり、心配される方もいらっしゃるかと思いますが、やる気がある方であれば、できるようになります。連日ご都合のいい時間に行うことができ、通院は月2回ですみます。また毎日少しずつ透析を行うことで、食事療法を緩和することができるだけでなく、栄養状態の改善や予後の改善につながります。

【腹膜透析】
日本では血液透析がほとんどですが、腹膜透析は国によっては最もありふれた透析ちりょうです。この治療の問題点としては、短期間での離脱する人が一定以上いることです。ただうまくいく人に関しては、非常に満足度の高い治療法であり、生命予後も悪くはありません。当科の方針として、患者さんのご希望、腎機能の進行の程度などを考え、導入については検討しております。その結果、腹膜炎の発症率は最近の5年間では全国平均のおよそ半分で、継続率も高くなっております。また腹膜透析導入に関しても、クリニカルパスを利用し、多職種で患者指導に努めており、入院期間13日は全国的にも短くできていると自負しております。

③糸球体腎炎・腎疾患に対する治療

 糸球体腎炎の中にIgA腎症という疾患がありますが、当院では以前から扁桃摘出+ステロイドパルス+経口ステロイド治療を行っております。場合により他の免疫抑制剤を使用し、良好な成績が得られております。また当地区に多い腎疾患としてANCA関連血管炎による急速進行性糸球体腎炎があります。この疾患はご高齢であることが多く、全国での平均年齢は68歳といわれていますが、当院での最近5年間の48例の平均年齢は76歳となっております。治療としては免疫抑制をとなりますが、最も重要な合併症である感染症のリスク因子として年齢があります。ガイドラインもありますが、各症例で免疫抑制の程度を決めることおよび早期発見に努めることで予後改善に努めております。
 また最近遺伝性疾患の多発性嚢胞腎に対してトルバプタンの使用ができることになり、嚢胞の増大を抑え、腎機能保持に働くことが期待できるようになりました。トルバプタンは腎容積増大率を年間5%から3%にすることができたと報告されております。つまり腎容積が2倍になるのに14-15年だったものを23-24年に延長することになります。比較的早期に導入することにより、透析を免れる方もでてくることが期待されます。 導入の際には入院が義務づけられており、当院では2泊3日で導入を行っております。

④リウマチ・膠原病疾患

 リウマチの治療は生物学的製剤が使われるようになり劇的に変わり、現在は寛解を目指す疾患になっております。昨年から関節エコーを行い早期診断および疾患活動性の評価に役立てております。生物学的製剤は非常に有効な治療である一方、感染などの副作用が心配になりますが、より安全な治療を心がけています 。

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