呼吸器・アレルギー疾患内科

【気管支喘息について】

概要と特色診療担当表医師紹介診療内容診療実績

 現在気管支喘息は、一種の気管支炎と考えられています。その原因として子供の場合にはアレルギーの原因となるもの(アレルゲン)が見つかるタイプ(アトピー型といいます)が多いですが、大人になって気管支喘息になった場合にはアレルゲンがみつかるとは限りません(非アトピー型といいます)。気管支の炎症により、気管支が発作的に狭くなったり痰が増え、ゼイゼイいったり呼吸困難といった発作を引き起こします。重症の発作の場合には死に至ることもあります。喘息は完治してしまう事は難しいと考えられていますが、通常は治療により発作のない状態を維持し、健康な方と同様の生活を送ることができます。
 気管支喘息には国際ガイドラインやがでています。当院でもそれに沿って治療しており、気管支喘息の方に病気についてよく理解していただき、自分で病気を管理できるようお手伝いしております。

気管支喘息の治療の目標

 ガイドラインで喘息治療の目標が掲げられています。そこには、「健康な人と変わらない日常生活が送れる、正常に近い肺機能を維持できる、夜間の症状がなく十分に睡眠が取れる、喘息発作を起こさない、喘息死を防ぐ、そして治療による副作用がないこと」があげられています。

どのような症状がありますか?

 息が苦しい、ゼイゼイする、咳がでる、といった症状が発作的に出ます。特に夜間や早朝に出やすいです。これはサーカディアン・リズムという一日の中での体調の変化により、この時間帯に最も肺機能が低下するためです。喘息の症状は治療しなくても自然に良くなることがありますが、発作がなければ普通の人とまったく変わりません。

どのような時に発作が出やすいですか?

 喘息の症状が悪くなる原因として以下のようなものが言われています。 (ア) アレルゲン (イ) 呼吸器感染症 (ウ) 運動や過換気 (エ) 気象 (オ) 二酸化硫黄 (カ) 食品・食品添加物 (キ) アルコール (ク) 薬物 (ケ) 心理的ストレス (コ) 過労 (サ) 月経

肺機能検査

 どれくらい肺に空気が入るかという肺活量やどれくらい早く息が吹けるかという一秒量をみます。また気管支を拡げる薬(喘息の発作を抑える薬)を吸入した後に同様に検査して、改善の程度を見ます。

呼気中一酸化窒素濃度(FeNO)測定

 呼気(吐いた息)の中に含まれる一酸化窒素(NO)の濃度を測定します。喘息患者の呼気にはNOが高濃度に存在しています。気道における好酸球性の炎症(好酸球は白血球の中でアレルギーに関与するものです)を非侵襲的に評価する検査です。吸入ステロイド治療により値が低下するため、喘息管理ならびにコントールの指標として有用な検査です。

気道過敏性試験(HIT)

 気管支喘息発作を起こさせるヒスタミンという薬剤を吸入しつつ肺機能検査を繰り返します。薄い濃度から順に10段階で濃くしていき、一秒量の悪化を見ることにより、気管支がどれくらい敏感になっているかを判断します。気管支喘息の方は、アレルギー性の気管支炎で気管支が過敏になっているため、健康な方よりも薄いヒスタミン濃度で一秒量が二割以上低下します。

アレルゲン検査

 血液検査によりアレルギーの原因となる物質(アレルゲン)に対する免疫反応を見ます。

その他

 血液中や痰の中の好酸球の数をみて、病状の参考にします。アンケートのような質問表(ACQ、ACTといいます)に答えていただき、普段の生活の状況(QOL)や喘息のコントロール状況を調べることがあります。喫煙の影響などを見るため、胸部の高分解能CTをとることがあります。

 治療薬は発作を予防する薬と、発作を止める薬の2つに分けられます。気道の状態を改善して発作を予防する薬を長期管理薬(コントローラー)、一時的に気道を拡張して発作を止める薬を発作寛解薬(リリーバー)といいます。

長期管理薬(コントローラー)
吸入ステロイド(ICS)、長時間作用型β2刺激薬(LABA)、ICSとLABAの合剤、抗ロイコトリエン拮抗薬、徐放性テオフィリン製剤、抗IgE抗体があります。難治性喘息では注射用・経口ステロイドの使用を考慮する場合があります。最近、あらたに抗コリン薬が重症持続性喘息に対し適応が拡大されました.。

吸入ステロイド(ICS)
 フルタイド®、パルミコート®、キュバール®、オルベスコ®、アズマネックス®

長時間作用型β2刺激薬(LABA)
 セレベント®、ホクナリン®

ICSとLABAの合剤
 アドエア®、シムビコート®、フルティフォーム®、レルベア®

経口ステロイド薬
抗ロイコトリエン拮抗薬(LTRA)
 オノン®、シングレア®、キプレス®

LTRA以外の抗アレルギー薬
徐放性テオフィリン製剤
 テオドール®、、ユニフィル®

抗コリン薬
 スピリーバ・レスピマット®

抗IgE抗体
 ゾレア®

発作寛解薬(リリーバー)
短時間作用型β2刺激薬(SABA)
 ベネトリン®、サルタノール®、メプチン®
 静注・経口ステロイド

ピークフローメーターと喘息日誌
症状のみでは病状を過小評価してしまう場合があります。ピークフローメーターを用いた他覚的な評価が役に立ちます。喘息日誌を用いてピークフロー値や症状、薬の使用状況を記録してもらうことで、家庭での状況が把握でき、自己管理にもつながります。
当院の現状

 2015年における当院における喘息の患者さんの外来通院者数は928人で、全体の通院患者数の約25%です。2015年に喘息発作で入院した患者さんは152人です。平均在院日数は9日で、女性の方が97人(63.8%)で平均年齢は59.7歳です。当院では発作入院の患者さんに対してクリニカルパスを導入しており、画一化した治療を提供しています。また、新規吸入薬や注射薬の治験も行っております。

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