診療科・部門
患者さんファーストの高品質な画像検査と
放射線治療を提供します。
概要・特長
- 当中央放射線部は、東棟2階に一般撮影室・歯科用撮影室、マンモグラフィ・乳房超音波検査室、CT室、X線TV透視室、超音波検査室、東棟地下1階に核医学検査室、放射線治療室、北棟地下1階にMRI室、骨塩定量測定室、健診撮影室、西棟1階救命救急センター内に救急撮影室、西棟2階に血管撮影室となっております。
- 高品質な画像診断・治療を提供すべく、院内診療各科と連携しながら、診療放射線技師や看護師が協力しチーム医療を実践し、患者さんの立場に立って検査・治療にあたっています。
- 画像診断や放射線治療のめざましい進歩に遅れないよう技術修得に絶えず努め、安心・安全な質の高い放射線検査、放射線治療を提供できるよう各種学会や団体から認定された専門の認定技師が多く在籍しています。
- 質の高い医療が提供できるように各種学会への発表や参加および部内勉強会を定期に開催するなどして人材育成に努めています。
- 320列CT装置、全一般撮影装置のフラットパネルディテクタ化(デジタル化)、トモシンセシス乳房撮影装置、高精度放射線治療装置など画像診断・放射線治療において最新鋭の医療放射線機器・画像診断機器が整っています。
- 地域の皆さんに寄り添った信頼され安心できる検査・治療を行います。
- 被曝の低減を念頭に、最適な線量で検査・治療を行っています。
業務内容
- CT(コンピュータ断層撮影)
- MRI(磁気共鳴画像)
- X線TV透視・骨塩定量測定
- マンモグラフィ・超音波検査(乳房・甲状腺・腹部)
- 一般撮影・歯科用撮影
- 救急撮影
- 核医学検査
- 血管撮影・IVR
- 放射線治療
CT(コンピュータ断層撮影)
・CT装置は320列装置(Canon社製AquillionONE)をはじめ、東棟に3台、救命救急センターに1台の計4台で診療にあたっています。
・また、放射線治療室には放射線治療計画専用のCTを有し高精度な放射線治療を支えています。
・すべての装置に最新の3D画像処理ワークステーション(ZIO社製Ziostation)を接続し、心臓や全身の血管など高度な三次元画像処理を行うことが可能です。
MRI(磁気共鳴画像)
・MRIはX線を使わず強力な磁石と電波を用いて、頭部をはじめ脊髄、腹部、関節など全身を画像化することができます。
・画像のコントラストが高く、頭部の血管や腹部の胆管膵管を造影剤なしに描出することができ、脳梗塞や総胆管結石をいち早く診断することが可能です。
X線TV透視・骨塩定量測定
【X線TV透視】
・7台の透視装置を使用しており、同時に多数の検査に対応できます。
・バリウムを使用した胃・大腸等の消化管の造影検査によって、病気の早期発見や手術前の精査等を行っています。
・骨折・脱臼部位を透視で確認することで整形外科医が安全・迅速に整復できるようにサポートしています。
・各科医師の行う、気胸・胸水・腹水・膿瘍等に対する治療を目的としたドレナージチューブの挿入を透視下で安全に行えるようサポートしています。
・装置には最新のフラットパネルと技術が使用されており低被曝かつ高画質な検査を実現しています。
・透視室内で内視鏡検査を行うことで体内・体外の両方から観察し低侵襲な治療を行うことが可能です。
・体内の目的物の位置をリアルタイムに確認可能なため検査時間の短縮・精度向上に貢献しています。
【骨塩定量測定】
・骨塩定量検査は骨粗鬆(こつそしょう)症の早期発見・予防に最適な検査です。
・骨密度を定期的に測定することで骨折のリスクである骨量の減少にいち早く対処できます。
・当院では計測にDEXA法を使用し低被曝・高精度の検査を行っています。
・検査台に寝ているだけで骨密度の計測が出来ます。約10分程度で終了します。
・当院では腰椎と股関節の骨密度を計測しています。
・骨密度は骨粗鬆症の有無を調べるのに重要な指標です。
・病気の治療で骨密度が低下する事もあるので治療の前後で計測することもあります。
マンモグラフィ・超音波検査(乳房・甲状腺・腹部)
【マンモグラフィ・乳房/甲状腺超音波検査】
・女性技師により安心できるマンモグラフィ検査や乳房超音波検査を行っています。
・マンモグラフィ検査室では桃色を使用し、あたたかみのある空間になるよう心がけています。
・高画質・低線量のマンモグラフィ装置を導入しており、3D撮影やステレオガイド下マンモトーム生検にも対応しています。
・当院は、乳房検査における認定技師である「検診マンモグラフィ撮影放射線技師」が在籍しており、「マンモグラフィ検診施設画像認定」を取得しています。
【腹部超音波検査】
・放射線を使用しない、どなたでも受けられる安全な検査です。
・他のX線検査でわからない小さな病変を描出できる場合があります。
・消化器専門医、認定超音波検査士が検査・指導に携わっており質の高い検査を提供しています。
・3台の超音波検査装置を使用しており緊急の検査にも対応しています。
・腹部超音波検査では主に肝臓・膵臓・脾臓・腎臓・胆嚢などの臓器の状態を観察できます。
・検査前日21時~検査までは絶飲食とさせていただきます(服薬に関しては主治医の指示に従ってください)。検査時はベッドに寝ていただき、超音波で観察しやすくするためのゼリーをお腹に塗ります。超音波を出す機械を当ててお腹の中を観察します。検査は約20分前後です。必要に応じ、造影剤を使用してさらに詳しく調べることもあります。
一般撮影・歯科用撮影
・すべての撮影に最新のフラットパネルディテクタ(FPD)を導入し画像確認の時間短縮、及び被曝線量低減につとめています。
・撮影メニューによるオートポジション機能を採用し統一した画像を提供しています。
・全下肢、全脊椎にはロングパネルを使用し広範囲撮影にも対応しています。
・歯科領域撮影においてはコーンビームを使用した低線量オルソCTが可能です。
・被曝線量の低減に努め、関連団体が定めるX線被曝の基準(DRLs)をクリアしています。妊婦や幼児の患者さんも安心して検査を受けていただけます。
救急撮影
・CT撮影室と一般撮影室とがドア隣の配置により重症患者撮影時の移動時間短縮となっています。
・救命救急センター内に、レントゲン撮影室×2室、CT撮影室、透視検査室があり、24時間365日救急対応しています。
・最新型のフラットパネルディテクタ(FPD)により複数枚のX線撮影を高速に行うことができ、重症患者さんの負担が軽減できます。
・高性能な128スライスCTスキャンにより、広範囲かつ複数部位の撮影を高速に行うことができ重症患者さんの診断に役立ちます。
・救急救命センターのすぐ上のフロアーには、心臓血管撮影室が3室および血管撮影室が1室あり、心筋梗塞などの心疾患などに対して緊急の心臓カテーテル検査や血管内治療などのIVR(インターベンショナル・ラジオロジー)に対応しています。
・休日日勤帯は2名、夜間帯は1名、勤務者以外に呼出待機で3名が救急対応しています。
核医学検査
・核医学検査はアイソトープ検査またはRI(アールアイ)検査とも呼ばれ、特定の臓器や組織に集まりやすい性質を持った放射性の医薬品を投与します。投与された放射性医薬品が、目的の臓器や組織に集まったところで、そこから放出される放射線(ガンマ線)を専用のガンマカメラを用いて体外から検出し、その分布を画像化します。
・CTやMRIは、主に臓器の形態の異常を調べるのに対し、核医学検査は、投与された放射性医薬品の分布や集積量、経時的変化の情報から、臓器や組織の形態だけでなく、機能や代謝状態などを評価することができます。
・当院では2018年に最新型ガンマカメラ1台を導入し、それを含めた2台の装置により年間約1700件の検査を行っています。熟練した技師と看護師が常駐し安心して検査を受けていただけます。
・前立腺がんの骨転移に対して行う塩化ラジウム内用療法を国内導入当初から積極的に行っており、治療の実績数は県下でもトップクラスです。
血管撮影・IVR
・医師、看護師、臨床工学技士と共に、循環器内科領域における狭心症、心筋梗塞、不整脈などに対するカテーテル検査や治療の他、血管外科、脳神経外科、消化器内科、腎臓内科、呼吸器内科、外科においても様々な検査および治療を行っています。
・特に、急性冠症候群(ACS)、急性期脳梗塞、急性下肢虚血(ALI)などの急性疾患に対するカテーテル治療(血管内治療)に力を入れて取り組んでいます。
・専門の認定診療放射線技師が、他のメディカルスタッフ(看護師、臨床工学技士)と協力しつつ、血管内圧測定装置・血管内超音波装置・光干渉断層撮影装置・冠動脈形成術用装置・心内心電図解析装置・脳血管用血栓吸引器などの準備や操作を行い、医師の診断や治療をサポートしています。
放射線治療
2018年5月より当院の放射線治療システムは、体外照射専用のVarian社製TrueBeamに画像誘導放射線治療システムBlainlab社製ExacTracを搭載した装置を導入し、高精度・高品質ながんなどの治療技術を提供しています。また、放射線治療計画装置には、Varian社製EclipseとBlainlab社製iPlanを導入しています。
放射線治療計画専用のCT室が備えられており、放射線治療に最適な撮影が可能となっています。また、安静室・テレビ付きの待合室などを完備し、快適に治療を受けていただくことができます。
これらの高度なシステムにより、高精度放射線治療である脳定位放射線治療や、呼吸による動きを監視して腫瘍や臓器の呼吸性移動を捉えることのできるRPM(Real-time Position Management)システムと画像誘導放射線治療を組み合わせて行う肺定位放射線治療などの手術的照射(ピンポイント照射)が可能です。また、乳房の治療における心臓への線量を最小限に抑え心筋梗塞などの心疾患の発症を抑える効果のある深吸気息止め照射法(DIBH法)にも対応しています。
当院では、頭頸部、肺、乳房、消化器、前立腺などの泌尿器、四肢などのほか全身照射(TBI)や全脳全脊髄照射といった放射線治療により示されるあらゆる身体部位の最新の放射線治療をエビデンスに基づいて提供しています。
放射線治療専門医、がん放射線療法看護認定看護師が在籍する看護チーム、機器や照射の精度・品質・技術を維持管理し実施するための医学物理士や放射線治療専門放射線技師・放射線治療品質管理士から構成された放射線治療専門のスタッフにより、安心安全の放射線治療を提供できるように努めています。また、放射線治療品質管理委員会を設置し、放射線治療における医療事故を防止し、安全かつ円滑に放射線治療を推進するため、放射線治療の総合的で継続的な品質管理体制により運営しています。
スタッフ構成
認定資格・業務実績等
資格保有者 | |
---|---|
検診マンモグラフィ撮影放射線技師 | 6名 |
乳房超音波講習受講者 | 2名 |
胃がん検診専門技師 | 2名 |
胃がんX線検診読影部門B資格検定 | 2名 |
超音波検査士(消化器) | 3名 |
超音波検査士(体表) | 1名 |
放射線管理士 | 1名 |
被曝相談員 | 1名 |
放射線治療専門放射線技師 | 3名 |
放射線治療品質管理士 | 3名 |
医学物理士 | 1名 |
臨床実習指導教員 | 8名 |
血管撮影・インターベンション専門診療放射線技師 | 6名 |
X線CT認定技師 | 4名 |
救急撮影認定技師 | 3名 |
Ai認定診療放射線技師 | 1名 |
医用画像情報管理士 | 2名 |
核医学専門技師 | 1名 |
塩化ラジウム注射液に関する安全取扱講習会受講者 | 2名 |
第一種放射線取扱主任者 | 7名 |
業務拡大に伴う統一講習受講者 | 9名 |
愛知DMAT隊員登録者 | 1名 |
画像等手術支援認定診療放射線技師 | 1名 |
磁気共鳴専門技術者 | 1名 |
植込み型心臓不整脈デバイス認定士 | 1名 |
認定施設 |
---|
第3者機関による治療用照射装置の出力線量測定実施施設(がん診療連携拠点病院) |
マンモグラフィ検診施設画像認定施設 |
日本放射線腫瘍学会認定施設 |
医師紹介
中央放射線部部長
山川 耕二
やまかわ こうじ
指導医
- 日本医学放射線学会研修指導者
- 臨床研修指導医講習会受講済
専門医
- 日本医学放射線学会・日本放射線腫瘍学会放射線治療専門医
- 日本専門医機構認定・放射線科専門医
その他
- 緩和ケア研修会修了
- 有痛性骨転移の疼痛治療における塩化ストロンチウム-89治療安全取扱講習会受講済
- 塩化ラジウム(Ra-223)注射液を用いたRI内用療法における適正使用に関する安全取扱講習会受講済