当院では、日本赤十字社愛知医療センター名古屋第一病院耳鼻咽喉科の協力をいただいて2025年4月から補聴器外来を開設します。耳鼻科医師・言語聴覚士・補聴器技能者が協力して補聴器の対応をさせていただきます。
日本での補聴器購入者の満足度が欧米と比べて3分の2というデータがあります(Japan Trak2022)。実際、補聴器を購入したけれども満足できない患者さんや補聴器が適切に活用できていない患者さんに遭遇することは少なくありません。
補聴器を活用するには適切な調整が大切です。補聴器はメガネと異なり1回の調整で終わるものではありません。通常は2ヶ月程度の調整期間を必要とします。特に、補聴器を装着した状態で検査を実施し、補聴器が適切な出力状態にあるか確認しながら調整を進める必要があります。
補聴器外来では、主に、通常の会話での声が聞き取りにくい中等度難聴から、大きな声でも聞き取りにくい高度難聴の方を対象に、補聴器装用による効果の有無を判定し、効果があれば、補聴器のスムーズな装用に向けて最適な補聴器の選択、調整、装用指導を行います。
補聴器外来での補聴器の購入や調整を希望される方がおみえになりましたら、是非かかりつけの医師に、公立陶生病院耳鼻咽喉科への紹介をご希望してください。
【補聴器外来受診から補聴器購入までの流れについて】
- かかりつけ医から耳鼻咽喉科外来の予約をとり、⑩患者支援センター紹介患者受付へ紹介状をお持ちの上ご来院ください。
- 耳鼻咽喉科外来の診察で補聴器外来の受診が適切であると判断した場合に、ことばの聞き取りの検査などをした上で、補聴器外来の予約を取ります。
- 既に補聴器を装用している方は補聴器を装用した状態で、再度、ことばの聞き取り検査を受けて頂きます。
- 補聴器外来では補聴器を装用した状態で聴力検査とことばの聞き取り検査を行い、補聴器の効果を判定します。
- 補聴器の効果があると判定された場合には、適切に補聴器専門店を紹介させていただきます。
- 実際の生活上で原則2ヶ月間程度試聴していただきます。
- 2ヶ月間の試聴後、再度当外来を受診していただき、ご本人が十分納得されていることを医師が確認した上で購入していただきます。
【その他】
- あまり効果がないようであれば当外来で返却していただくことも可能ですし、再度調整の上、試聴又は別の補聴器を試聴していただくことも可能です。
- 既に補聴器を装用している方では、その補聴器が最適であるかどうかを調べ、必要であれば調整や装用指導を行います。
公立陶生病院 耳鼻咽喉科 杉浦 真